旧いくらなんでも35歳

2005~2013年の記録

別れの朝

彼は耽美系
遠距離恋愛ヤ~メタ
もうどうにも止まらない

の続きです。※回想録です。

 

30余年住んだ沖縄を離れる日がやって来た。
空港に着くと、思いがけず姉が見送りに着ていた。
時間が無かったのでちょっと言葉を交わしたあと、搭乗口前で別れた。

 

別れ際、姉は「じゃあね」と笑顔でぐっちの手を強く握った。
姉の突然のアクションに「あ、あ、握手? いま握手してる?」と内心動揺したが、顔には出さずその場をあとにした。(姉と握手したのは初めてだったような気がする)

 

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姉という人は、昔から両親と折り合いが悪く、兄弟に対してもトゲトゲしい態度しか取れない人だった。

 

母と大喧嘩して家を飛び出したあとはすっかり疎遠になり、姉がどこに住んでいるのか家族は誰も知らないという時期もあった。

 

それが母の死後から少しずつ変わり、家族に歩み寄るようになっていた。
そして結婚を機にさらに丸くなったことは、妹としてうっすら感じていたのだが…
ハッキリとした変化を目の当たりにし、何とも言えない気持ちになった。

 

長く生きているとこういうこともあるもんだ…
これが人生の醍醐味か…などと考えながら搭乗口に向かった。

 

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ふと振り返ると、姉が遠くで手を振っていた。