透明人間だった頃2
5歳になったぐっちは、公立幼稚園に通い始めた。
その初日のこと。 行きは小学生の姉・兄と一緒だったので 問題が無かったのだが 🚩(沖縄の公立幼稚園はアメリカ式で小学校に併設されている)
帰りにちょっとした事件が起こった。
帰りは黄・赤・緑の3コースに分かれて 途中まで先生方が引率することになっていた。
実は黄色コースだったぐっち。
前日、母からも黄色だと念を押されていた。 なぜ「緑」だと嘘をついたかというと…
赤も緑もテープを貼ってもらえるのに 黄色は、かばんが黄色だからという理由で 何も貼ってもらえないのだ。 それを知った瞬間、気が変わったのである。
いつも遊んでいる近所のお友達が 黄色コースの列から「?」の目でじっと見つめていたが 未知なる緑コースに挑んだぐっち。 だが、案の定…
解散場所で挙動不審となり、連れ戻された。 そして園に戻り、職員室にて 急遽呼び出された母の迎えを待っている間 またしても透明人間となった。
目の前で、担任の若い先生が上の先生から こっぴどく叱られたのである。 もちろん、この件である。 「私のせいでゴメンナサイ…」など、 気の利いたセリフはまだ持ちあわせていなかったため ただ見ているだけの、無力なぐっちなのであった。