近所にある古びた喫茶店は、窓が無いので中の様子が見えない。
前を通るたびに、営業しているのか否かいつも気になっていた。
2つもある「営業中」の看板は固定されていて夜も掛けられたままなので、あてにならない。
「ドアを開けるとそこは普通のリビングで、食卓を囲んでいる家族にジロッと睨またらどうしよう~?」などと日に日に勝手な想像は膨らむばかりであった。
また、雨の日に玄関口に濡れた傘が立てかけられいるのを見たときは、「営業中」の看板を信じそうになったが、「いやいや、あれは家族の傘かも」と思い直したりもした。
ところが今日、前を通ったら、真新しい「氷」の垂れ幕が風に揺れていた。この街に引っ越して来て1年以来の疑いが、一瞬にして晴れた ぐっち。